ユナイテッド航空のエクスカーショニスト・パークって奥が深い
ユナイテッド航空の特典航空券には「エクスカーショニスト・パーク(周遊特典)」という制度があります。
複数都市へのご旅行の一部に適用される、無料の片道特典「エクスカーショニスト・パーク(周遊特典)」をご紹介します。 3つの片道特典旅行を組み合わせて複数都市周遊の特典旅行をご予約いただく場合、一定の条件を満たしていれば、そのうちの1つの特典旅行にはマイルが不要となります。(従来のストップオーバー・ポリシーはこの特典に変更となります)。
耳慣れない言葉で、はじめの頃は「エクスカショーニスト・パーク」と読み間違えたりしてました(英語表記がExcursionist Perkであることを知り、ようやく「エクスカーショニスト・パーク」と間違えずに言えるようになりました)。
正しく言えたり書けたりする必要はないのですが、このエクスカーショニスト・パークがなかなか奥が深く、使い方によってはとってもお得のようなので検証してみます。
1.第一区間(出発地:日本)
出発地を日本とします。「日本→○○」というフライトを選択することになりますが、○○にあたるのは海外であっても日本国内であってもOKです。ユナイテッドの特典航空券では日本の国内線がお得に発券できますので、ここでは国内線を選択。ANA国内線が片道5000マイル(遠距離路線は8000マイル)で予約できます。たとえば、名古屋→札幌だと5000マイル。途中で乗り継ぎがあっても5000マイルで行けることがあります。
今回ユナイテッドのサイトで名古屋→札幌を入れて検索すると、、、
こんな感じでたくさん選択肢が出てきます(これ以外の選択肢もあり)。仙台乗り継ぎが選択肢に出てきたので、上記キャプチャの黄枠のフライトを選択。名古屋→仙台(乗り継ぎ)→札幌で5000マイルです。
搭乗後、デルタ航空に申請すると、名古屋→仙台で500マイル、仙台→札幌で500マイルがプレゼントされます。時間に余裕がある、単純に飛行機に乗るのが好きという方は、乗り継ぎ便を選択するのも面白いかと思います。
※ニッポン500マイルキャンペーン(2018年4月1日~2019年3月31日)
2.第二区間(周遊:米国本土、アラスカ州およびカナダ)
なんとなく距離がありそう(?)というイメージだけでアメリカ大陸の西から東、ロサンゼルス→ニューヨークで試してみます。出発地をロサンゼルス、到着地をニューヨークとして検索をすると、、、
月曜日と火曜日だけ、0マイル!
※この週のほかの曜日は空席がないのか、追加マイルが発生していますね。
これがエクスカーショニスト・パークの威力です。日本発着(第一区間と第三区間)の旅程に無料で周遊航空券つけてあげますよ!という。日本国内往復旅行の周遊がアメリカのロサンゼルス→ニューヨークって不思議な気もしますが(笑)、ユナイテッドが認めてくれているので問題ないですね。
なお、ここで注意点を3つ。
-
エクスカーショニスト・パークの制度を使って0マイルで発券するには、座席クラスについては第一区間と同じでなければなりません。第一区間はANAの国内線(普通席)ですから第二区間もエコノミーとなります。
※第一区間が国際線・ビジネスクラスの場合、第二区間もビジネスクラスになります。 - この第二区間の出発地と到着地はユナイテッドが定める同一地域でなければなりません。
つまり、上記の表で定められた地域内ならどの組み合わせでもOK!たとえば、ロサンゼルス(アメリカ)→バンクーバー(カナダ)はOKですが、同一国内でもロサンゼルス(アメリカ)→ハワイ(アメリカ)はNGとなりますので、注意が必要です。 - 第一区間の地域とは違う地域でないとエクスカーショニスト・パークの制度が適用されません。今回のケースでは、第一区間は日本ですので、第二区間は日本以外なら(=海外ならどこの地域でも)OKということになります。
上記注意点をクリアできたので、月曜日の「ロサンゼルス→ボストン(乗り継ぎ)→ニューヨーク」というフライトを選択してみました。
3.第三区間(帰着地:日本)
エクスカーショニスト・パークが適用されるためのルールに「旅行の出発地と帰着地は同じ地域でなければならない」というのがあります。つまり「○○→日本」というフライトを選択しなければなりません。○○に入るのは日本に限らず海外でもOKなのですが、第一区間は名古屋→札幌。特典マイルを使い慣れていない方だと、第三区間は札幌→名古屋しか選択できないような気になりますよね?!
もちろんそんなことはありません。日本国内が帰着地となるフライト(○○→日本)ならば、どこからどこに飛んでもOKです。ここではマイルの節約を兼ねて日本国内線、第一区間とはまったく関係のない沖縄→大阪を選択してみました。5000マイルが必要です。
4.特典航空券の旅程と必要マイル数
今回の旅程のおさらいです。
第一区間(06月06日):名古屋→仙台(乗り継ぎ)→札幌
第二区間(06月11日):ロサンゼルス→ボストン(乗り継ぎ)→ニューヨーク
第三区間(06月26日):沖縄→大阪
※国内線は普通席、国際線はエコノミークラス
国内線は3レグ、国際線は2レグ、合計5レグのフライトで必要なマイル数は、
たったの10000マイルというから驚きですヾ(*´∀`*)ノ゛
※マイルとは別に620円が税金および手数料として徴収されます。
これだけ乗ってほんとに10000マイル?と思いますが、なにか落とし穴はないのでしょうか?次はエクスカーショニスト・パークのデメリットを見ていきます。
5.エクスカーショニスト・パークのデメリット
その1.日本国内線の特典航空券は出発日の60日前からしか予約できない
UAマイルの利用に関するルールのデメリットであって、エクスカーショニスト・パークのデメリットと言うわけではないのですが、日本国内線の特典航空券を絡めた上記第一~第三区間の旅程では、ざっくり2ヶ月先までのフライトしか予約できません。よって、短期間にぎゅっとまとめて飛びまくる、、、という形にならざるを得ません。ちょっときついですね。
その2.UAの特典航空券は出発日まで20日以内の場合、緊急/直前発券手数料として75米ドル(一般会員の場合)かかる
こちらもUAマイルの利用に関するルールのデメリットであって、エクスカーショニスト・パークのデメリットではありませんが、UAの特典航空券は、出発日まで20日以内の場合、マイルの引き落とし以外に発券手数料として75米ドルが請求されます。
日本国内線の予約の場合、出発日から21日以上前に予約しないと発券手数料75米ドルがかかる上、60日先までの予約しか取れないのでかなり制限がかかりますね。
例:04月30日に国内線特典航空券(東京⇔広島)を予約する場合
(ケース1)
【往路】05月20日のフライト:5000マイル+7,954円(75米ドル)
※出発日まで20日以内の発券のため、緊急/直前発券手数料が請求される
【復路】05月21日のフライト:5000マイル
(ケース2)
【往路】06月29日のフライト:5000マイル
【復路】06月30日のフライト:予約不可
※4月30日は出発日の61日前となるため、予約できず
4月30日にUAマイルを使って、ANA国内線の特典航空券を直前/緊急発券手数料なしに予約しようと思ったら、往路・復路とも搭乗日は5月21日~6月29日に収める必要があります。今回紹介した第一区間~第三区間の旅程を5月21日から6月29日までの39日間に詰め込むのは相当きついですね。
その3.別途手配が必要な航空券が発生する
たとえば名古屋在住として、
第一区間(06月06日):名古屋→仙台(乗り継ぎ)→札幌
第二区間(06月11日):ロサンゼルス→ボストン(乗り継ぎ)→ニューヨーク
第三区間(06月26日):沖縄→大阪
の旅程を組んだなら、
第一区間では、札幌から名古屋に一度戻るなら「札幌→名古屋」のチケットが、そのままロサンゼルスに飛ぶなら「札幌→ロサンゼルス」のチケットを別途手配しなくてはなりません。
第二区間ではニューヨークから一度帰国するなら「ニューヨーク→名古屋」のチケットが、そのまま沖縄に飛ぶなら「ニューヨーク→沖縄」のチケットが別途必要になります。
これら別途手配が必要なチケットもひっくるめて考えて、エクスカーショニスト・パークを使うのがお徳かどうか判断したほうがよいですね。
6.まとめ
ユナイテッド航空のエクスカーショニスト・パークについては、まだまだ研究の余地がありそうです。第二区間にアジアの国々を入れると、別途手配のチケットも比較的安く入手できそうですし、また別の航空会社のマイルでまかなうという選択肢も出てくると思います。